ばあちゃんの庭
ばあちゃんの庭を横切ると・・・
コンクリート部分に、草がおいてあるでしょう。
庭の草取りをして、そこに置いておくと、部下が一輪車でやってきて、片付けてくれるんですよ。
いい部下でしょう。
その部下こそ、私の直属の司令官です。
そして、その上に君臨する、最高司令官は、92歳。
草取りをする速さは、誰にも負けないが、移動する(歩く)のは苦手です。
畑から鉄砲水のように、・・・
先週の水曜日だったか、雨が急に降ってきた日があった。
夕方、仕事から帰って来た夫が、畑の様子を見に行ったら、水が滝のように流れていた、と言う。
こんなにゲリラ豪雨だったのか、と思ったが、その水は、・・・
そして、水道のそばには、鍬が置いてあった、と言う。
さて、この水道、出しっ放しにした、犯人は誰だ?
「えしけぇ雨」
夕食の時、聞いてみた。
「今日(昼間)、畑に行った? 水道の水が、出しっ放しだったんだけど。」
「えしけぇ雨で、空は晴れてるのに、いきなり降ってくるんだよ。
だから、早く家にもどらなきゃ、と思っても、この足だっぺ?
もう、びしょ濡れ。」
*えしけぇ: ひどい、悪い、良くない、の茨城弁
「悪し(あし)」からきていると思う。(たまベジ解釈)
空は晴れているのに、急にざ~っと。 そして、それが、一日に何回か。
ばあちゃんは、そんな日に、畑で作業をしていたらしい、一人で。
夕食で、私が5月に漬けたラッキョウを食卓に出したものだから、ばあちゃんが思い出したようだ。
「赤いエシャレット、植えてない。植えなきゃ。」
そして、思い立ったが吉日、エシャレットを植え始めた。
そして、植え終わって、鍬を洗っているところに、急な、スコールのような雨。
水道の蛇口を止めるのも忘れ、(水が出っぱなしでも、ばあちゃんは耳が遠いから聞こえない)家に戻った。
でも、歩くのは苦手なばあちゃんは、びしょ濡れになっちゃった、というわけ。
災難でしたね。
最高司令官は、部下に命令を出すよりも、自分でやってしまおう、(その方が早い)と思ってしまうのです。